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皆既日食報告会

昨日、日食情報センター主催の標記報告会が開催された。

ここではそれらの発表の概略を記載する。
 
 3月の皆既日食は1997年モンゴル・シベリア、79年カナダ、61年イタリア~東欧、43年の北海道と同じサロスである。このため、どんどん北に北上していき、18年後のアラスカ方面の皆既日食を最後に本影が地球上にかからなくなってしまう。この意味では消滅直前のサロスということである。今回は前回のモンゴル・シベリア皆既日食とは逆に、ほとんど海上を通過するものであった。今回の皆既日食帯が通過する一帯はメキシコ湾流が流れてくるので、同じ緯度のカムチャツカ半島ほど寒くはないが、それでも氷点下20度近く下がること、高度が10°と低空であること、事前に予報された晴天率は必ずしも良くないことなどから、遠征者が少ないことが予想された。しかしながら実際は300人近い遠征で、デンマーク領のフェロー諸島の一部を除いて晴天に恵まれたと報告があった。

 遠征先で多かったのは、ノルウェー領の北極海にあるスバーバル諸島であった。人類が定住している島では最北の地にあるが、島のキャパシティが限られるので、①宿泊はせずに日食だけを見てとんぼ返りをする方法(阪急ツアー)、②海外の旅行会社に相乗り(国際航空旅行サービス)、③テント泊をする方法(道祖神)が取られた。この中で一番大所帯であったのが、阪急のコースが約180人だったそうである。これ以外に海外のツアーに参加した方もいたそうである。

 事前の天気予報が悲観的だったので、機上観測が多かったのも今回の皆既日食の特徴であったことも紹介されていた。晴天率が芳しくなく、今回の日食のような低空の場合は、月の影を追いかけるようにフライトできることなど利点があり、皆既に入る瞬間は、機体に月の影が追い付いて来ることが実感できることを紹介されていた。ただ写真撮影の場合は、ただでさえ狭い飛行機の窓がアクリル製のために乱反射してしまい、ゴーストだらけになってしまうのが難点ということだった(飛行機の座席シートが簡単に外れることは初めて知りました)。機上観測の時は、肉眼で見るだけや撮影するにしても月の影の移動を実感できる広角がお勧めだと思った。ただ飛行機の中でも窓が新品の場合は、ゴーストの原因である傷が少ないので、その分クリアに見られる(撮影できる)可能性があるそうである。

 皆既日食の科学観測では、SOHOなどの人工衛星によってコロナの観測は行われているが、X線の場合は太陽面とその近傍、オッカルティングディスクの場合は太陽面から離れた所のコロナしか見られないことから、その間を埋める観点からも皆既日食時のコロナの観測は必要なことや、2点離れた観測場所のコロナの変動を観測したりすることも重要とされていた。この科学観測で必要なイメージはRAW画像以外に、ダークやホワイト(何も映っていない空の写真)などの補正画像も必要なこと、この補正の画像は何も日食中ではなく、日食前後でも差し支えはないとされた。

 ニューカークフィルターは、パソコンによる画像処理合成になってからは使用されなくなったが、このフィルターのようなものを使用しての動画撮影を行ったものであった。まずニューカークフィルターにあたる素材としてリバーサルフィルムを使用したことや、レタッチソフトを使用してのフィルターの元となる同心円パターンの作成方法について報告された。さらにフィルム時代の場合、フィルムの直前にニューカークフィルターを置いて撮影したが、デジタルカメラでは同じ方法は不可能である。このため、何とか焦点面にフィルターを近づけるように工夫した事項を報告されていた。実際に撮影された画像も紹介され、通常はベタッと表現されるコロナの動画の画像が詳細に表現されていた。ただ、ニューカークフィルターを使用するにあたっては、太陽の位置とフィルターの中心に精密に一致させる必要があるために、精密な位置合わせと追尾の重要性を感じた。

 2016年3月9日及び2017年8月21日の皆既日食解説では、1年後にせまったインドネシア皆既日食の話を中心に現地の写真を交えて観測候補地を紹介されていた。インドネシアでは日の出間もない状態で欠け始めるので東の方の見晴らしが良い場所の選定が重要であるが、それほど多くないことも実感した。2017年の皆既日食の方は、晴天率が比較的良いロッキー山脈から西側を中心としたいくつかのアクセスが良い都市及び観測候補地(キャンプ場や野球場など)を紹介していた。

以上
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