スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第39回 木星会議in静岡 報告

今回で39回目を迎える木星会議2016は、JR静岡駅前にある静岡科学館「る・く・る」で開催された(入館料は510円)。参加者、初日は27名で現役の学生が8名。2日目の参加者は、初日に参加できなかった2名が加わり21名だった。

ここでは非常に簡単であるが、その会議の報告を行いたいと思う。
なお、会議は以下の日程で行われた。
(敬称略)
○10月8日(土) :科学館内8F創作ルーム(総合司会:安達 誠、月惑星研究会関西支部) 12:30 受付開始 13:00 開会のあいさつ
主催者側:安達 誠(月惑星研究会関西支部)
共催者側:長澤 友香(科学館館長)
13:15 自己紹介 13:45 記念講演
    「ジェット気流を越えて~めざせ高解像!~」熊森照明(月惑星研究会関西支部)
15:00~15:10 休憩
15:10 今シーズン木星面のまとめ:堀川邦昭(月惑星研究会) 16:30 記念写真 16:45 退出撮影 18:00~20:00 懇親会 「日本海庄や 静岡南口店」(19名) 20:00~ 二次会(らしい)
○10月9日(日) :科学館内8F創作ルーム(総合司会:安達誠) 09:30 科学館開場・2日目受付開始
09:45 研究発表
・ドブソニアン鏡筒は惑星撮影用に使えるか:柚木健吉(月惑星研究会関西支部)
・HP画像からパラパラ動画作成:鈴木重則(月惑星研究会)
10:35~10:50 休憩
10:50 研究発表
・大赤斑北部に現れるSEBsの開口部の考察:堀川邦昭
11:15 Home Page 更新作業者募集:鈴木重則(月惑星研究会)
11:55 閉会のあいさつ

 自己紹介の後に、ベランダの手すりに望遠鏡を設置・LRGB法で撮像されている熊森さんの記念講演があった。熊森さんご自身の機材遍歴(1970年代の10㎝反射(接眼部を1秒程度スライド追尾させて惑星撮影)→20㎝Dall Kirkham(1980年代~2010年)→28㎝ Celestron C11(2010年~)→35㎝ Celestron C14(2016年~)を紹介されたのち、C14の鏡筒内気流の 軽減方法について述べられた。具体的には、以下の対策を行っているそうです。
  ・鏡筒に12㎝換気ファン用の穴を2箇所開けて設置
 ・後部セルに3箇所ファン用の穴、及び2ch温度計設置(取手も設置)
主鏡と外気温の温度差が5℃の場合、鏡筒内の空気が馴染むのに約2時間、2℃で約1時間もかかるとのことです。そして、撮影中も接眼ファンはONにしたままにするそうです。
(鏡筒及び接眼部に穴を開ける…。何か怖くて私には真似できそうもありません。温度差を無くす方法として、他に断熱材で鏡筒を簀巻きにする方法もあるとのことです。)
 撮影した画像は、Registax6でスタック、ウエーブレット処理するのですが、設定値は以下のようにするとのことでした。
 ・Waveletschemer:Linearにチェック
 ・Wavelet Filter:Gaussianにチェック
 ・Use Linked Waveleにチェック
 ・Layer1のみ使用:Denoise 0.00,Sharpen 0.600,Preview 100
 処理した画像は、Win JUPOSを使用したDerotationのち、Stellaimageで最大エントロピー処理を行うとのことです。この「MaxE psfは数値(例1.5~0.4, 1.8~0.4, 2.0~0.4)を変えて適宜行ってほしいとのことです。
 この最大エントロピー処理は、シーイングが良いところでは不要とのことですが、日本のような不良シーイング下では実施した方が良いとのことでした。ただし、何も写っていないのに掛けても無駄とのことでした。
 LRGB合成を行うのは、PhotoshopCS2のレイヤー(カラー:不透明度100%)で行うとのことです。
 そして最後にジェット気流や撮影に関しては、以下のように述べていた。
 ・自分の惑星像がボケているのをジェット気流のせいにしてはいけない。
 ・日本では精細惑星が写るときはある
  ・晴れていれば撮影すること。シーイングが悪いと言って諦めないこと
  ・筒内気流を含め環境気流は対処するべし
  ・光軸合わせ、望遠鏡の調整は対処するべし
休憩を挟んで、堀川さんによる「今シーズンの木星面のまとめ」が行われた。 ここでは、主に以下のことについて取り上げていた。
(全球)
①木星探査機Juno PJ-1の極地方の画像について
(北半球)
②NEBの拡幅領域の発達と衰退
③WSZの動きとNEB拡幅域の相互作用
④北温帯攪乱
(南半球)
⑤大赤斑後方のSEBの白雲活動
⑥大赤斑の様相と動き
⑦SEB北部の乱れた明部
⑧SSTBの高気圧的小白斑(AWO)
⑨2016-17シーズンの展望
 これらの中で、いくつかの項目を掻い摘んで記載する。
①木星探査機Juno PJ-1の極地方の画像は、以下の特徴があると述べられていた。
  ・北極、南極共に灰色で、茶色のベルトや白いゾーンの雲は見られない。
  ・FFR(Folded Filamentary Region:通称カエルの卵白斑)として知られるグニャグニャとした白い雲と小さな丸い渦で埋め尽くされている。
  ・丸い渦は高気圧的、FFRは低気圧的と思われ、極を同心円状に取り巻いているので、東西方向のジェットストリームは極近くまで存在するかもしれない。
  ・土星にあった六角形模様や極の大渦は存在しない。
 今回を含めJunoは木星の極軌道を33回周回することになっているために、今後どのような画像が公開されるのか楽しみである。
⑤大赤斑後方のSEBの白雲活動は、以下のような活動経過があったとされた。
  ・3月1日に白斑出現。前進しながら、乱れた白雲に発達。
  ・その後、数回にわたって白斑群が発生、RS後方のSEBが大きく乱れる。
  ・活動域の長さは4月初めに60~70°と最大に、その後白雲の供給が途絶えて、徐々に沈静化。
 なお、これらの白雲は活動域や特徴から、1998年などに発生したmid-SEB outbreakとは別物と述べられていた。
 ⑥大赤斑そのものは、以下のような特徴があったと述べられた。
 ・1980年代以降では最も赤く濃い。
 ・SEBが濃く安定な時期としては、極めて異例。
 ・緯度は230°から250°に後退。
 ・10月と7月に周囲に暗部が出現したものの、本体には影響なし。
 そして⑨これからのシーズン(2016-17シーズン)は、以下の活動が考えられると結ばれていた。
  ・NTBs Jetstream outbreak(北温帯流-C)の発生
  ・mid-SEB outbreakの発生
  ・SSTB AWO同士の合体の可能性
一日目のセッションが終わった後、会場で集合写真を撮影したのちに、懇親会が行われた。

 木星会議2日目は、科学館の開場の都合で9時45分から研究発表が行われた。
○ドブソニアン鏡筒は惑星撮影用に使えるか:柚木健吉
355mmのドブソニアンを改造して、惑星撮影用に改造したことが紹介された。
○HP画像からパラパラ動画作成:鈴木重則
  ALPOのホームページに掲載されていた展開図をもとに動画を作成したことが紹介された。
○大赤斑北部に現れるSEBsの開口部の考察:堀川邦昭
  大赤斑北部でSEBsが途切れて、一見したところ赤斑湾とSEB内部が連結したように見える現象を紹介されていました。
この結果、以下のことが分かったそうです。
・SEBsの開口部は、大赤斑の濃度には関係なく、赤斑孔の時でも見られる。
・SEBの濃度などの状況にも関係は見られない。SEB攪乱発生中でも現れている。
・開口部の出現時期は、大赤斑の90日摂動の経度極大期と一致する。
  ・大赤斑の後退期の中ほどで開口部が出現、極大に達すると消失する。
  ・大赤斑の90日摂動は、SEBsのジェットストリームが主因で、SEBの開口部は副次的な現象と思われる。
○Home Page 更新作業者募集:鈴木重則
現在、月惑星研究会のHome Pageの更新作業は、鈴木さんと米山さんが行っています。プロの研究者からもALPO JapanのHome Pageは注目されているとのことです。世界中から報告が上がっているために更新作業が大変で、毎日1時間でも構わないので、なり手を募集中とのことでした。

会場の使用時間が12時までということで、最後は安達さんのバタバタとした挨拶で2日間にわたる木星会議が無事終了した。
気になる来年の開催場所は未定ですが、米子や明治大学(東京)などの候補地が複数あがっているとのことです。

以上
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。